濱邊(浜辺)達男牧師(3代目・1957年~1962年)

濱邊(浜辺)達男牧師は、神学校を卒業してから荒尾、前原を牧会、1966年青山学院大学経営学部宗教主任、弘前学院大学教授、東洋英和女学院大学教授を経て2003年退職。茅ヶ崎堤教会を経て14年隠退。2020年4月15日87歳で召天されました。

卒業直後の未熟な私が担当した5年間はよき成果を上げたとはとても思えません。…地域に伝道を協力に進めるための力が色々の点で不足していましたが、何よりも指導者であるべき私の力不足が大きかったと、悔やまれてなりません。…1959年秋から炭住街を舞台に、指名解雇の是非をめぐって、炭鉱マンとその家族が、隣り同士で口論したり、相互に不信を増していった様子が、あちこちで見られるようになりました。…このように地元を襲った嵐のような社会問題が、未だ十年余の歴史しか経ていない荒尾教会にまで影響を与え、その争いが教会内部にまで浸透してくるのを防ぐのは全く不可能なことでした。
…このような嵐の中にあって、附属幼稚園の経営も大きな難問にぶつかっていました。園児募集がうまく行きませんでした。それでもやめなかったのには、教会員の頑張りがあったからだと思います。妻敬子も幼稚園教諭に加わりました。今日まで幼稚園が継続している様子をうかがい、あの時に細々ながらも続けて来て、本当によかったと思っています。・・・私にとって、荒尾教会での五年間の経験は、それ以後歩んできた私の人生を規定するほどの、大きな影響を与え続けてきました。

このように振り返る濱邊(浜辺)先生の文章を読み、荒尾教会・荒尾めぐみ幼稚園が通ってきた道が決して平坦で順風満帆ではないこと、むしろ葛藤の中をくぐり抜けてきたことに、私は気付かされました。けれども神さまは今日まで繋げられたのです。(有明海のほとり便り no.233)