うふざと教会の働きを覚えて

終戦=「敗戦」から77年を迎えます。「キリストの平和」とはますますかけ離れていくような日本社会であり、そして世界です。けれども、そのような中でも「キリストの平和」を絵空事とはせず、真剣に祈り、聖書を読み、そして仕える働きを続けているキリスト者たちがいます。

その一人が、うふざと教会(沖縄)の島しづ子牧師です。しづ子牧師は農村伝道神学校の大先輩で、長く名古屋の教会と障がい者通所施設の働きを担われ、2年前に沖縄へ72歳で赴任されました。うふざと教会は、「新基地建設反対行動は牧師の公務」としているそうです。「新基地」とは、沖縄の辺野古湾で進められている米軍基地建設工事を指します。

わたしも二度、辺野古を訪れたことがあります。とても美しい海岸で、物々しい警備員たちや海上保安庁の職員たちが、抗議行動を人的・物的に押しつぶす姿があり、心を痛めました。辺野古にせっかく来たので、ぜひ一度訪問したいと願い向かったのが、うふざと教会でした。当時牧会されていたY牧師も、辺野古に通い、抗議活動に参加されていました。驚いたのは、うふざと教会があるのは、辺野古から車で1時間もかかるところにあるということです。わたしはてっきりもっと近い場所にあると思っていたのです。

訪問したのはちょうど祈祷会の時でした。小さな教会の一室で、3名ほどの信徒の方たちとイザヤ書を読み、牧師と福音を分かち合い、熱心に祈り合う姿がありました。

「人の目」から見たらそれは小さな祈りの姿かもしれません。けれども、イエス・キリストはガリラヤの村々でこのように生きたのではないかと、深く心に残った経験でした。

真剣に祈り、聖書を読み、そして「キリストの平和」に仕えていきましょう。(有明海のほとり便り no.272)