先週のイースター礼拝で紹介したヘンリ・ナウエンの著作です。ナウエンはイェール大学やハーバード大学で神学を教えていましたが、それらをすべて投げ捨てて、ラルシュ共同体で暮らすこととしました。そこでは、「なかま」と呼ばれる知的ハンディを持つ人たちと、生活を支える「アシスタント」と呼ばれる人たちが、祈りを中心とするフループホームで共同生活をしています。ナウエンはラルシュ共同体で「なかま」として、一人の司祭として、生活を共にしていたのですが、ある時、聖餐式で分かち合われるパンが、わたし達の人生を導く大切な指針になることに気付かされたのです。
イエスは「パンを取り(take)、賛美の祈りを唱え(bless)、それを裂き(break)、与え(give)」ました。
Taken わたし達も一つのパンとして神に取られ(taken)ました。一人ひとりは神に「選ばれ」「愛されて(beloved)」います。
Blessed そして神は、わたし達一人ひとりに人を生かす<いのち>の言葉、祝福を与えて(blessed)います。
Broken けれども、人生の中で身が裂かれる(broken)な出来事に出会うことがあります。にも関わらず、神さまはまったく変わらずに一人ひとりを選び(take)愛し(love)、いのちの言葉を与える(bless)のです。
Given このように神に愛されているわたし達(the Beloved)は、独り子イエス・キリストが隣人のために生きた(give)ように、自分自身だけでなく隣人のために用いられる(given)ように招かれているのです。
聖餐式で用いられるパン、イエスが最後の食卓や5000人もの人たちと分かち合った時の食卓を、人生のガイドとしていきましょう。(有明海のほとり便り no.355)