6月14日に成立した改正入管難民法には、外国人の永住資格取り消しの要件を拡大する規定が含まれていました。「入管難民法の義務を順守しない」「故意に税や社会保険料を滞納する」「罪を犯し拘禁刑を受ける」のいずれかに該当した場合、永住資格の取り消しが可能になったのです。この改正案が国会に出された段階で、キリスト教会だけでなく、様々な団体が反対声明を発表しました。「横浜華僑総会」は「入管法改定案に関する声明文」の中で次のように述べています。
「永住者」は、加齢・病気・事故・社会状況の変化など、長年日本で生活していくうちに許可時の条件が満たされなくなることは起こり得ます。病気や失職などによるやむを得ない税金や社会保険料の未納、スーパーに行くときにうっかり在留カードを家に置いてきたという不携帯などの過失、執行猶予のつくようなあるいは1年の禁錮にも満たない刑法違反であっても在留資格を取り消されることがあり得る、という立場に置くこと自体、「永住者」に対する深刻なる差別であると言えます。…現在、日本で生まれ日本語しかわからず、日本にのみ生活基盤を有する2世から6世の「永住者」も多く、すべてが日本市民と共に善良なる市民として地域社会の発展に貢献しています。
ただでさえ日本は永住資格が取るのが難しい中で、今回の改悪によって、ますます外国にルーツを持つ方たちがこの日本社会で排他性を感じ生きづらさを覚えるのは言うまでもありません。いま日本では、100人のうち4人が外国にルーツを持っているそうです。年々増加している中で、キリスト教会は日本社会が持つ排他性を乗り越えていく使命が与えられています。
本日午後、西南KCCにて、父が講演する資料をお配りします。ぜひ目に留まった箇所だけでも読んでいただきたいと願っています。(有明海のほとり便り no.379)