ゼロプラン?

ナチが共産主義者を襲ったとき、自分はやや不安になった。けれども結局自分は共産主義者でなかったので何もしなかった。
それからナチは社会主義者を攻撃した。自分の不安はやや増大した。けれども自分は依然として社会主義者ではなかった。そこでやはり何もしなかった。
それから学校が、新聞が、ユダヤ人が、というふうに次々と攻撃の手が加わり、そのたびに自分の不安は増したが、なおも何事も行わなかった。
さてそれからナチは教会を攻撃した。そうして自分はまさに教会の人間であった。そこで自分は何事かをした。しかしそのときにはすでに手遅れであった。
マルティン・ニーメラー(ドイツ告白教会牧師)

出入国在留管理庁が「不法滞在者ゼロプラン」を始めて3ヶ月が経ちました。そもそも「不法滞在」という表記が問題です。この間すでに119名の方たちを強制送還していますが、3割にあたる36名が、難民認定の申請中だったそうです。難民認定を申請するということは、母国に帰国することによって迫害などの危険が及ぶ可能性があるということです。

今まで難民認定申請中の方たちを強制送還することはしていなかったのですが、昨年6月に施行された改正入管難民法により、可能となってしまったのです。すでに日本生活も長く、家族の中でも母子には在留資格があり、父だけが難民申請中だったにも関わらず強制送還される事例も起こっています。子どもたちは日本育ち・日本生まれにも関わらず、家族が分断されてしまったのです。

「最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたこと」(マタ25:40)というイエスの言葉を胸に刻みましょう。(有明海のほとり便り no.433)