神の愛が注がれている

Hさんの前夜式を行った際に、Hさんが病室で使われていた聖書を見せていただきました。持ち運びしやすいように、あえて新約聖書だけ抜刷したものです。おそらく病室で読むには重い聖書は使いづらく、軽い新約聖書をHさんは使われていたのです。

前夜式の前で時間があまりなかったのですが、すぐにいくつもの聖書箇所に線が引かれていることに気が付きました。一晩お借りして読んでみました。驚いたことに、荒尾教会の「献堂記念 1982・5・30」の聖句栞が挟まっていました。愛用されていたのです。

ざっと開いただけでも30箇所くらいに、赤鉛筆で線が引かれていました。その線はとても真っ直ぐ綺麗に引かれています。おそらく定規を使って引いたのでしょう。Hさんの几帳面さがここにもよく表れていると思いました。

わたしが心動かされたのは、やはりその線の数でした。病床にあっても、Hさんは折に触れて聖書を読んでいたということ、しかもただ漠然と読むのではなく、自分の魂に響く聖書箇所を探しながら読んだのです。そして、そのようにして出会った聖書の言葉が、Hさんという一人のキリスト者の信仰を支えたのです。

大切な教会の友を神のみもとへ送りました。また会えるその時を信じ歩んでいきましょう。Hさん、ありがとう!(有明海のほとり便り no.440)