岩高澄牧師、創立記念礼拝へ

この11月に荒尾教会は創立75周年を迎えます。教会総会でもお伝えしましたが、この機会に小平牧師の前任者である、岩高澄牧師を創立記念礼拝に招こうと役員会では企画しました。ただ…、教区事務所に行く機会もなく、岩高牧師の連絡先を調べるのに少し手間取ってしまいました。ようやく農村伝道神学校の(かなり古い)同窓会名簿を見つけ、昨日電話をかけてみました。

すると、「とっても」元気そうなお声に安心すると共に、逆に励ましをいただきました。岩高先生は現在86歳(!)で普段は東梅田教会に出席されています。なんとこの春までは、月1回ずつ別々の教会の説教奉仕を担っていたそうです。おそらく、牧師が代務や兼務の教会で、毎週の説教が難しい所を先生がサポートに行っていたのでしょう。その姿にただただ尊敬の念を覚えました。話しは共通の知人たちのことへと広がり、それぞれ嬉しそうに話して下さいました。

さて、このままでは言いそびれてしまうと若干焦り気味かつ恐る恐る、創立記念礼拝の話しをすると、快く(!)引き受けて下さいました。その際、先生が笑いつつ「もちろん新型コロナウイルス感染状況によってか、私自身の寿命で出来ないかもしれませんがね」とおっしゃったのが胸に響きました。与えられた人生を、自分のためではなく、神さまのために最後まで歩まれていることを感じたからです。

先生と話し合い、11月第3主日の21日に創立記念礼拝を持つこととしました。ちょうど収穫感謝礼拝と重なります。岩高先生が荒尾教会を牧された期間は短かったと伺っていますが、でも確かにこの地に福音の種を蒔かれていかれました。その「霊の実り」を、共に分かち合う時となることを祈りましょう。(有明海のほとり便り no.216)

コロナ禍とオリンピックと

コロナ禍にあって、もともとこの日本社会が持っていた「女性の生きづらさ」がさらに深まり、女性の自死が大幅に増え続けています。

『家事労働ハラスメント』(岩波書店)を書かれた竹信美恵子さんは、コロナ禍が「非正規女性の一人負け」状況を生み出していることを指摘しています(『福音と世界』6月号)。

…「ケアする性」とされる女性はこれまでこうした「対面方式で人を癒す」職場に重点的に配置され、しかもその多くは契約を打ち切りやすい短期雇用の非正規だ。…女性たちは、「夫セーフティネット」を理由に公的セーフティネットの外側に置かれてきたが、それも機能しなくなった中でいま、「単発・細切れ雇用セーフティネット」で命をつなぐ。それさえもがコロナ禍で壊れた、という構造が見えてくる。…女性たちは、家事育児を軽視した働き方設計は変えられないまま「活躍しろ」と命じられ、家事育児を後回しにすると「わきまえない」と非難される。

都市部を中心に深刻化していっているこの歪が、この荒尾にも影響を及ぼし始めています。特に私を含む男性たちが、その事実に気付き回心していかねばなりません。

また、「セーフティネット」がどんどん機能しなくなってきている中で、荒尾教会は「魂のセーフティネット」として隣人に仕え、荒尾めぐみ幼稚園は幼保連携型認定こども園として、「子どもたちのセーフティネット」として各家庭を支えていきたいと祈り願っています。

コロナ禍の中で仕事や住まいを失った女性たち、困窮している家族、自死に至る方たちがこれだけ増えているにも関わらず、莫大な財源を東京オリンピックに使ってしまうことに大きな違和感を覚え、開催中止を求める署名に私も賛同しました。42万人を超える人たちが賛同しています。(有明海のほとり便り no.214)