日本キリスト教団では、1975年7月に「部落差別問題特別委員会」の設置を決議し、教団全体としての取り組みを始めていきます。この出発点を覚えて、7月第2主日を「部落解放祈りの日」としています。
荒尾に赴任してきて初めて、この荒尾にも被差別部落があったこと、そして部落差別があることを学びました。そのような中で、特に幼保小中高において、部落差別をなくすためにコツコツと活動を続けておられます。
人権啓発センターに集った時に、こんな話しを伺いました。
ある方のところへ一本の電話が最近入ってきた。それは、荒尾を離れて遠くに住む知り合いからだった。聞くと、どうも子どもの結婚する相手が荒尾の人間だということで、その相手の出身地が「(被差別)部落」かを聞いてきたのだ。電話を受けた方は、「(被差別)部落」かどうかを気にすること自体が時代遅れであり、おかしいと答えた。
いまだにこのような差別が身近にあることを学び、がっかりすると共に、この差別を被ってきた痛みはいかばかりだったかと感じています。荒尾市HPには次のようにありました。
部落差別の現状は、結婚差別や就職差別など心理的差別が根強く残っており、「身元調査事件」、「土地差別事件」、「差別発言・落書き事件」、「えせ同和行為・関連事案」が発生しています。また、インターネットの普及に伴い悪質な部落差別に関する情報が氾濫しており、人権侵害につながる事案が複雑多様化しています。
歴史を振り返れば、キリスト教会においても、部落差別事件が起こりました。荊冠の主イエスと共に、差別を乗り越えていきたいと願っています。(有明海のほとり便り no.218)