児童虐待事件を巡って

静岡の園で起こった、1歳児への児童虐待事件はマスコミでも大きく取り上げられ、3名の保育者が逮捕、園長が市から告発されるという事態にまで発展しています。具体的な虐待行為は15にも及び、どれも子どもの心を深く傷つけるものです。保育現場であってはならないものばかりで、心を痛めています。被害を受けた子どもたちの癒やしを祈りましょう。

よく園内研修で引用する本の著者である高山静子先生(東洋大学)が、この事件を受けて「保育者の不適切な関わりをなくすために」という文章をご自身のブログに投稿されています。

親はたった一人のわが子に声を荒げ手を上げることがあります。乳幼児期の子どもと関わることは、誰がやっても難しいのです。保育者は、その難しい年齢の子どもたちを集団で保育をします。1歳児クラスの基準は、子ども6人に対して保育者1人です。1歳児の三つ子、五つ子を一人で育てられる親がいるでしょうか?保育は、いい人レベルでできるような簡単な仕事ではありません。
…就職してから子どもとの関わりの技術を園内研修で学べる園はごく少数です。そうでない園に就職した場合には、個人の人間性で対応するしかありません。そのためどの園でも不適切な関わりが起こる可能性があります。
保育者の関わりは、専門性として身につけるものであり、高めることができるものです。不適切な関わりをしてしまう保育者は、知らないだけ、技術を身につける機会がないだけです。

園内研修で、改めて子どもたちへの不適切な関わりについて学び、あたたかい声かけと子どもたちの楽しい声に満ちたキリスト教保育を作り上げていきたいと願っています。(有明海のほとり便り no.290)