寿越冬

2023年が始まりました。「神の国」「キリストの平和」が、この荒尾の地で、九州で、日本で、そしてウクライナやミャンマーをはじめ世界で実現することを切に祈ります

横浜中華街の裏に寿町と呼ばれる日雇い労働者の町があります。年末年始には、様々な公共サービスが閉じる中で、路上生活のホームレスの方たちや、貧困の中で歩む方たちの年越しを支えるために「寿越冬闘争」があり、炊き出しや相談、夜間の安否確認を兼ねた路上での訪問活動などを行っています。コロナ禍で感染対策が必要な中にも関わらず、まさにこの年末年始にも行われています。まさにいま寒さの中で<いのち>を削られている方たち、孤立している方たちを覚えて祈りましょう。また、そこに集われているボランティアの方たちやコーディネートされる実行委員の方たちのことも覚えて祈りましょう。

日本キリスト教団では神奈川教区寿地区センターがこの越冬活動を担われています。数年前までは、わたしや原野先生と同じ農村伝道神学校出身のM教師が主事として長く働かれておられました。不思議なことに、越冬活動に参加すると、M教師はじめ多くの教会関係者がそこにはおられるのですが、他のボランティアの方たちとすっかり溶け込んでおられるので、最初はまったく気付かないのです。少しずつお話しをしていく中で、初めて知らされ驚くことが多々ありました。そして、大学生たちや医療従事者の方たち、多くのボランティアの方たちの働き・願い・祈りに頭が下がる思いでした。

何よりも印象に残っているのは、寿地区に生きる方たちとの出会いです。たくましさや知恵に教えられ、ユーモアにみんなで笑い…。決して楽ではない、むしろ辛い現実の中だからこその出会いでした。(有明海のほとり便り no.292)