資本主義というバベルの塔

「資本主義」によって日本含むほとんどの世界経済社会が成り立っていることは、みなさんもよくご存知のことではないでしょうか。では、「資本主義」とは一体何なのか、そして一体何が問題なのでしょうか?

マルクスの『資本論』を「解説」している本を少しずつ読んでいます。私自身まったく分かっていなかったのですが、『資本論』は共産主義ではなく、資本主義を論じているのです。1886年に出版された『資本論』に関する本が毎年のように出されることからも、その影響が大きいことをうかがい知れます。しかも、どうもその分析や批判が、かなり的を得たものであることが分かってきました。

マルクスの指摘によると、資本主義は止まることの知らない飛行機のようなものです(多分…)。ひたすら世界中を飛び回り、飛行距離(利益や富)をどんどんと伸ばしていきます。そのためにもちろん燃料(天然資源や人間の労働力)を消費していきます。空中給油しながら飛んでいるため、いつまで経っても着陸しません。こんな飛び方をしていたら、最後はどのようになるでしょうか?

この地球が有限であること、そして私たち人間自身が神さまに創られた有限(限界が有る)存在であることは言うまでもありません。気候変動や富の格差拡大に見られるように、もうこの地球は限界に突入しつつあるのです。無限に飛び続けようとする飛行機は墜落しつつあるのです。

貪ること、神以外のものである富を崇拝することを、神さまは十戒を通して禁じられました。にも関わらず私たち人間は、有限な被造物であることを忘れ、あたかも無限な存在(神)であるかのように資本主義という大きなバベルの塔を作り上げてしまっているのではないでしょうか。(有明海のほとり便り no.196)