先日のニュースで、新型コロナウイルスの影響によって、貧困に陥った子どもたちが世界で「1億人」増えたとありました。とてつもない人数に、想像も尽きませんが、日本における全人口1億2530万の内、15歳未満は1492万5千人なので、おおよそ日本にいる15歳以上の人たちすべてに該当する「子どもたち」が、一気に貧困に陥ったと考えることが出来ます。それが子どもにどのような影響を及ぼすのか、私たちはここで立ち止まり考える必要があります。そして、本当にこのままでよいのか、これで神の国を実現できているのかを振り返りたいと願っています。
この日本でも新型コロナウイルスによる傷は広がっています。特に非正規雇用をはじめとする不安定な雇用環境で職を失った人たちも増えています。自死された女性たちの数も増加しています。そのような中で、札幌北部教会の久世そらち教師(教団副議長)が、ブログに次のように綴られていました。
数十年前、日本基督教団では「職域伝道」を掲げ、労働者の課題を担おうとしていました。そんな中で炭鉱での働きに携わった矢島信一牧師が、芦別で目のあたりにした炭鉱事故を報じ、「地獄化した様相は、炭鉱のみならず各方面で進行している。教会の使命と責任は天国ではなく地獄の中にある」と記しました。いま、まさしく「地獄化した」労働の現場に、教会の使命と責任があることを自覚すべきではないでしょうか。
救い主キリストの到来をまず知らされたのは、夜通し働いていた羊飼いたちであったことを思うのです。
「教会の使命と責任は天国ではなく地獄の中にある」という深いメッセージを、このアドベントのひと時、改めて胸に刻みましょう。(有明海のほとり便り no.240)