農村伝道神学校を覚えて

本日は「神学校日」で、関係神学校の働きを覚えて祈る日とされています。

日本キリスト教団には1つの教団立神学校(東京神学大学)と5つの認可神学校(関西学院大学神学部・東京聖書学校・同志社大学神学部・日本聖書神学校・農村伝道神学校)があります。それぞれの神学校に特徴があり、合同教会としての日本キリスト教団の豊かさを表しています。全国の諸教会にそれぞれの卒業生たちが遣わされており、ここ九州教区にも、6つの神学校の卒業生たちが祈り支え合いながら歩んでいます。

荒尾教会の歴史を振り返っても、一つの神学校出身の牧師だけでなく、いまはもうなくなってしまった神学校も含まれています。岩高澄牧師(6代目)から小平善行牧師(7代目)・星健治牧師(8代目)そしてわたしに到るまでは、すべて農村伝道神学校出身ですので、農伝が特に関係が深い神学校です。

けれども、実際どのような神学校かは意外と信徒の皆さんは知らないのではないでしょうか。農伝は東京都町田市にありますが、東京といっても住宅地からは一歩奥深く入った自然豊かなところに建っています。教団関係神学校の中でも、特に規模は小さく、教職員と神学生の距離はとても近いのも特徴です。

「農」という視点を大切にします。「農村」という現場だけでなく、根源にある「いのち」、そこから派生する「貧困・差別・人権」ということを宣教の課題としています。卒業生の多くは、大きく豊かな教会ではなく、荒尾教会や山鹿教会のような小さな地方教会や、社会的な課題に取り組む教会や現場に遣わされています。そこに農伝らしさがあるのです。(有明海のほとり便り no.281)