18人の牧師・神学者が様々な切り口で「牧師」について語っている本(2013年出版)です。折に触れて読み返し、その度に新たな発見が与えられています。
今回目に留まったのは、「牧師の一生」と題して渡辺正男牧師が綴っている文章です。渡辺正男牧師は、1937年生、農村伝道神学校、南インド合同神学大学、プリンストン神学校で学ばれます。農村伝道神学校教師、玉川教会、函館教会、国分寺教会、青森戸山教会、南房教会の牧師を経て、2009年に引退されました。直接お会いしたことは一度だけなのですが、よくお名前を聞く大先輩の一人です。
わたしが渡辺先生の母校である農村伝道神学校の神学生だった頃に、東京にあるSCF(学生キリスト教友愛会)のワークキャンプで、毎夏訪問させていただいた教会の一つが、青森戸山教会でした。ちょうど教会のバザーがあり、前日からその準備をお手伝いしたのをよく覚えています。その頃には渡辺先生は辞され、次の牧師になっていた時代のことでした。
青森戸山伝道所は、青森市の郊外、八甲田山の麓の雪深い地に誕生したばかりの伝道所です。…十数人の会員ですが、底抜けに明るい教会でした。…広い駐車場を近所の人に負けないくらいきれいに除雪しました。連れ合い、隣の公園との間にある通学路の除雪を買って出ました。春になるとみなで花をいっぱいに植えました。ミニバザーを始めました。…会員が二十名を越えて、三年目に伝道所から第二種教会になることができました。(p.362)
わたし達がお手伝いさせていただいたバザーは渡辺先生の時代に始まったものだったことを知りました。「底抜けに明るい」青森戸山教会と、荒尾教会の「明るさ」に不思議な共通点と励ましを感じています。(有明海のほとり便り no.381)