オリンピックのためにとてつもない練習と研鑽を積んできた、世界各地からの選手たちには、純粋にがんばってほしいと願います。
けれども、このタイミングで「東京」オリンピックを開催する必要がどうしてもあったのでしょうか?
私は大きな違和感を覚えています。東京都の新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は1000名を超え、重症患者も74名いらっしゃいます。そして、報道によると「在宅を強いられた女性たちへの暴力や望まない妊娠の相談件数増加」「休業を余儀なくされた非正規雇用者の女性は5人に1人」「2021年1~6月の女性の自死者は前年同期間に比べ25%増(男性は7.2%増)」(週刊金曜日)とあります。コロナ禍は、感染症としてだけでなく、社会的暴力としても人を傷つけているのです。また、会場付近で生活するホームレスの方たちが追い出されることが続いています。これらはウイルスによる災害ではなく、人間によって引き起こされている人災です。
神さまから与えられた、かけがえのない<いのち>よりも大切なものとは一体何でしょうか?
今回の東京五輪で1兆円を超えるお金が使われていますが、これだけのお金があれば、「生きながらえる」ことが出来る/出来た人たちがどれだけいるでしょうか。
来週は8月に入ります。「平和」について思い巡らし・祈り・行動する月です。「東京」オリンピックの熱狂の中でこそ、「神の国」について「神の平和」についてしっかりと思いを向けていきたいと願っています。(有明海のほとり便り no.220)