9・11同時多発テロから21年が経ちました。史上最悪のテロ事件とも言われる9・11で召された人たちは2977人にも及びます。そこからアメリカ主導で「対テロ戦争」が始まり、2003年にはイラク戦争が起こります。その死者は10万人以上であり、不安定な状況はいまだ続いています。暴力では暴力の連鎖は止められないことも、わたし達人類は学ばなければなりません。
2001年当時、わたしはアメリカの大学に留学して初めての新学期を迎えたばかりでした。ニューヨーク州バッファローにいたのですが、あのときの異様な緊張感をよく覚えています。そして「対テロ」の中で、中東諸国からの留学生たちやムスリムの学生たちが、様々な差別やヘイトクライムの不安の中で過ごしたことも。ショックだったのは、イラク戦争が起こると同級生たちが、徴兵されていったことです。アメリカで学生の多くが学費を軍隊から借りる代わりに、有事の際に徴兵される契約をするのです。「経済的徴兵制」の犠牲の多くは貧困層の学生たちであり、アメリカ社会の矛盾を痛感しました。
マイカル・ジャッジ神父は9・11同時多発テロが起こった際、いつも祈る次の祈りを祈ってから出かけていき、最後は世界貿易センタービルの崩壊に巻き込まれ召天されました。
主よ、あなたが行かせたいところに 連れていってください。/あなたが会わせたい人に会わせてください。/あなたが語りたいことを示してください。 わたしがあなたの道をさえぎることがありませんように
荒尾教会ではいま礼拝の祝祷でこの祈りを祈るようにしています。21年前のマイカル神父の祈り、非暴力への祈り、平和への祈りをここに重ねていきましょう。(有明海のほとり便り no.277)