『浜辺達男の遺稿と想い出集~主と共に~』

先日、東京・世田谷にある代田教会員である、Mさんより、一冊の本が送られてきました。『浜辺達男の遺稿と想い出集~主と共に~』という冊子です。浜辺達男先生はこの荒尾教会の3代目牧師(1957年~1962年)で、2020年4月15日に横浜で召天されました。87歳でした。

荒尾教会出身のMさんは、8月の教団新報に出たわたしの記事を読んで連絡を下さった際に、この記念集の中の荒尾教会時代に関わる箇所を写しで送って下さったのです。ぜひ他の文章も読みたいとMさんにお手紙を書いたところ、早速送って下さいました。浜辺先生は荒尾教会の後、福岡の前原教会、青山学院大学、ドイツ留学、弘前学院大、東洋英和女学院大学と、キリスト教大学の教育に長く関わられた方です。けれども、記念集の中で思いのほか多くの箇所に荒尾教会の名前が出てくるので、驚きました。つまり、周りの友人たちも心配するほど、大変な荒尾時代(5年間)だったのです。荒尾教会50周年誌に浜辺先生が次のように綴られています。

卒業直後の未熟な私が担当した5年間はよき成果を上げたとはとても思えません。
…1959年秋から炭住街を舞台に、指名解雇の是非をめぐって、炭鉱マンとその家族が、隣り同士で口論したり、相互に不信を増していった
…このような嵐の中にあって、附属幼稚園の経営も大きな難問にぶつかっていました。園児募集がうまく行きませんでした。それでもやめなかったのには、教会員の頑張りがあったからだと思います。
…私にとって、荒尾教会での五年間の経験は、それ以後歩んできた私の人生を規定するほどの、大きな影響を与え続けてきました。 

当時の浜本先生や教会員の方たちの祈りと献身があったからこそ、いまの荒尾教会があります。この歴史を覚え続けていきましょう。(有明海のほとり便り no.343)