「カルト問題と信教の自由」

昨日、「カルト問題と信教の自由」と題して講演をいただきました。

カルトについて、浅見定雄教師(東北学院大学名誉教授)は次のように定義しています。

ある集団をカルトと呼ぶ基準は、その集団の教義や儀礼が<奇異>に見えるかどうかであってはならない。あくまでその集団が、個人の自由と尊厳を侵害し、社会的に重大な弊害をもたらしているかどうかであるべきである。

つまり、新宗教すべてがカルトではありませんし、逆に教義として「正当」であるとされるキリスト教諸教会においても、カルト化することはあるのです。日本基督教団はじめ日本の諸教会においても、牧師による性的暴行やハラスメントなどの事例が起こっています。カルト問題に取り組むことは、自分たちの教会がカルト化していないかを振り返る機会ともなるのです。

統一協会による被害は多岐に及んでいます。霊感商法・正体を隠した伝道活動・合同結婚式・献金や献身の強要等の被害によって、深く傷ついた方たちが本当に沢山おられます。日本からは約7000名が合同結婚式によって韓国へと渡っていますが、その多くが精神的にも経済的にも苦しい状況に置かれているそうです。夫からのDVに苦しみつつも、日本の家族とは縁を切って帰るところもなく、周りからは「あなたの信仰によって夫を変えなければいけない」と強要されている実態があります。

「信教の自由(信じる自由と信じない自由)」をカルトは自己防衛のために使いますが、例えば統一協会こそが信者たちの「信教の自由」を巧みな手段によるマインドコントロールなどで奪っているのです。そのことがようやく周知されつつあり、「解散命令請求」が出されたのです。(有明海のほとり便り no.347)